Columnコラム
新築住宅購入時に気をつけるべき契約のポイントについて解説
新築住宅を購入するにあたっては、不動産売買契約や建築工事請負契約など、いくつかの契約を締結する必要があります。契約書には専門的な文言も多く、初めて家づくりをする人にとっては分かりにくいかもしれません。
この記事では、家づくりに関する契約に不安を抱えている人へ向けて、新築住宅購入時に結ぶ契約の種類や契約ごとの注意点などを解説します。
契約を中心に見る新築住宅購入時の流れ
最初に、契約を中心とした新築住宅購入時の流れを見ていきましょう。ここでは注文住宅と建売住宅に分けて紹介します。
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・住まいへの希望条件を整理する ・資金計画を立てる ・希望条件に合う物件を探す |
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・気に入った物件が見つかったら購入を申し込む |
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・物件資料をもって住宅ローンの事前審査を受ける |
不動産売買契約締結 | ・事前審査を通過したら、不動産売買契約を締結する
・手付金を支払う |
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・不動産売買契約書をもって住宅ローンの本審査を受ける |
金銭消費貸借契約締結
(住宅ローン契約) |
・本審査を通過したら、金融機関と住宅ローン契約を締結する |
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・融資が実行されたら、融資金で残金を支払う
・残金支払いが完了したら引き渡しを受ける |
土地なしで注文住宅を建てる場合、特に住宅ローン関係の手続きが複雑になります。上記はあくまでも一例であり、住宅ローンをどのように組むかによって流れが変わるので注意しましょう。
注文住宅を建てる際に必要となる契約は「不動産売買契約(土地)」「建築請負契約」「金銭消費貸借契約(住宅ローン契約)」の3つです。
建売(分譲)住宅購入時の流れ
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・住まいへの希望条件を整理する
・資金計画を立てる ・希望条件に合う物件を探す |
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・気に入った物件が見つかったら購入を申し込む |
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・物件資料をもって住宅ローンの事前審査を受ける |
不動産売買契約締結 | ・事前審査を通過したら、不動産売買契約を締結する
・手付金を支払う |
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・不動産売買契約書をもって住宅ローンの本審査を受ける |
金銭消費貸借契約締
(住宅ローン契約) |
・本審査を通過したら、金融機関と住宅ローン契約を締結する |
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・融資が実行されたら、融資金で残金を支払う
・残金支払いが完了したら引き渡しを受ける |
建売住宅の場合、土地・建物をセットで購入するため、注文住宅に比べて手続きが簡単です。建売住宅で必要になる契約は「不動産売買契約」「金銭消費貸借契約(住宅ローン契約)」の2つです。
新築住宅購入時に結ぶ契約の種類
上記の流れを踏まえ、新築住宅購入時に必要となる3つの契約の種類と内容を確認していきましょう。
不動産売買契約
土地や建物を購入する際、売主と締結するのが不動産売買契約です。土地なしで注文住宅を建てる際は土地の売買契約、建売住宅を購入する際は土地・建物の売買契約を締結します。契約締結時には、契約内容を記載した「不動産売買契約書」が交付されます。
この契約の目的は、不動産会社などの売主が物件の所有権を買主へ移転するのと引き換えに、買主が売主に対して代金を支払うのを約束することです。売買契約書を取り交わした時点で、契約も成立したものとみなされます。
締結時には、買主が物件価格の5〜10%程度(一般的な相場)を手付金として、売主へ支払います。買主は手付金の放棄、売主は手付金の倍額の支払いにより、契約を解除することが可能です。
金銭消費貸借契約(住宅ローン契約)
新築住宅購入時、ほとんどの人が住宅ローンを利用することでしょう。住宅ローンを申し込むと、金融機関による事前審査・本審査が行われます。審査では本人の収入、勤務先、勤続年数、ほかの借入状況などの属性と物件の担保価値がチェックされ、問題がないと判断されると融資が決定します。
注文住宅における建築工事請負契約、建売住宅における不動産売買契約は、住宅ローン本審査前に締結するのが一般的です。しかし、本審査を通過することが契約内容実行の前提条件となるため、契約内に「住宅ローン特約」を設けます。この点は後ほど詳しく解説します。
建築工事請負契約(注文住宅のみ)
注文住宅では、施工会社との間で建築工事請負契約を締結します。詳細プランが固まり、本見積もりが決定した時点でこの契約を結ぶ流れです。
契約書のほか、問題発生時の対応について記した「建築工事請負契約約款」、費用項目の詳細を記した「見積書」、平面図や仕様書などの詳細図面からなる「設計図書」がセットで発行されます。
建築工事請負契約書の内容に追加や変更が生じた場合、原則別途費用が発生するため、希望している内容がすべて含まれているかどうかチェックしておくことが大切です。
不動産売買契約で気をつけるべき3つのポイント
ここからは、契約ごとの気をつけるべきポイントを解説します。まず紹介するのは、不動産売買契約で注意したいポイントです。
手付金や違約金の設定がどうなっているか
不動産売買契約の締結時に手付金を支払うのは前述のとおりですが、手付金の設定がどうなっているかは十分確認しておきましょう。契約締結後に、売主・買主どちらかの事情により解約する場合、売主は「手付金の倍額の支払い」、買主は「手付金の放棄」が求められます。
しかし、売主・買主のどちらかの契約不履行により売買契約を破棄する場合、不利益を被った側に対して違約金を支払うよう、契約で定められることがあります。買主の契約不履行による違約金には手付金を充当する旨が定められているケースも多いですが、念のため、違約金の取り扱いについてはしっかりチェックしておきたいところです。
住宅ローン特約が盛り込まれているかどうか
住宅ローン特約も重要なチェックポイントです。住宅ローン特約とは、買主が申し込んでいる住宅ローンの本審査が通らなかった場合、手付金を放棄することなく、無条件で契約を解除できる旨を定める特約のことをいいます。
先ほども紹介したように、不動産売買契約書は住宅ローンの本審査前に締結しますが、買主は融資を受けられないとそもそも代金を支払えません。売買契約は代金の支払いと引き換えに物件を引き渡す契約なので、ローン審査が通らなければ、契約の前提が成り立たないのです。
売買契約書の内容をチェックするときは、住宅ローン特約に該当する条文が入っているかどうか見ておきましょう。
重要事項説明で不明点をしっかり確認したか
不動産会社(宅地建物取引業者)が売主となって、個人の買主と売買契約を締結する場合、事前に宅地建物取引士(宅建士)による重要事項説明を行わなければならないと定められています。この際、宅建士が記名押印した「重要事項説明書」に沿って説明が行われます。
重要事項説明書には、主に次のような内容が記載されています。
・物件に関する事項(登記の権利の種類、関連する法令の制限事項、インフラの状況等)
・取引条件に関する事項(代金、契約解除に関すること、損害賠償額や違約金の定め等)
重要事項説明は、契約締結にあたって特に重要な事項を事前に説明することで、買主に不利益が生じないよう保護するのが目的です。細かな説明で冗長に感じるかもしれませんが、説明内容に疑問点や不明点があるなら、漏れなく確認したうえで契約を締結しましょう。
建築工事請負契約で気をつけるべき3つのポイント
次に、建築工事請負契約で気をつけるべきポイントを3つ紹介します。
工事のスケジュールが認識と違っていないか
建築工事請負契約書では、工事に関するスケジュールが定められています。ポイントになるのが、工事の「着工日」と「完成日」、完成した建物が買主に引き渡される「引き渡し日」です。これらの日程によって、住宅ローン手続きや引越しの手配などのスケジュールも決まってくるので、契約書の中に明示されているかを確認しましょう。
また、工程が不自然に短かったり、日程が曖昧になっていたりしないかもチェックポイント。工事が遅れるとさまざまな不都合が考えられるため、万が一スケジュールが遅延したときの違約金に関する規定なども確認が必要です。
支払いタイミングに問題がないか
多くの場合、工事代金は着手金・中間金・残代金の3つに分けて支払います。着手金は建築工事請負契約締結時、中間金は着工時と建物の上棟時、残代金は住宅ローンの融資実行・引き渡し時に支払うのが一般的です。
注文住宅で住宅ローンを利用するとき、契約内容によって融資実行のタイミングが異なります。通常の住宅ローンは建物完成時に一括で融資が行われるので、着手金・中間金は自己資金で支払わなければなりません。自己資金で負担するのが難しい場合、「つなぎ融資」や「土地先行融資」を利用するという選択肢があります。
いずれにしても支払いタイミングが重要になるため、いつ・いくら支払わなければならないのか、しっかりと把握しておきましょう。
工事内容に変更があれば変更契約を結ぶ
詳細プランを決めたうえで建築工事請負契約を締結するのが原則とはいえ、工事を進める中で変更点が生じることもあるでしょう。この場合、決して口約束だけで終わりにせず、面倒でも変更契約を結ぶのが大切です。
変更契約では、変更の内容、スケジュールの変更、追加費用を明記します。口約束だけで進めてしまうと、あとからトラブルに発展する可能性があり危険です。
まとめ
新築住宅を購入する際には、大きく「不動産売買契約」「金銭消費貸借契約(住宅ローン契約)」「建築工事請負契約」の3つの契約を締結する必要があります。それぞれの契約の目的を理解するとともに、今回紹介したポイントに沿って、十分チェックしたうえで締結するようにしましょう。
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