Columnコラム
リビングのカラーコーディネートの決定手順とヒント!プロが教えるおしゃれな色選びのコツ
家づくりは設備の性能やコスト、そして内装材のグレードや材質などが話題になりがちです。リビングの場合は床材の材質は複合フローリングか無垢フローリングか…といったテーマが話題になりやすいでしょう。
ところで、意外と後回しにされやすいのが「色」ではないでしょうか。
しかし、色はインテリアにおいて非常に重要です。特に、カラーコーディネートについては検討が不可欠と言えます。
そこで、ここではリビングの色について、カラーコーディネートを中心に解説します。
色と心理的効果
人間の心理はデリケートなもので、外的要因で意外なまでに変動します。
例えば、音楽は心地良くなりますが騒音は気分が悪くなります。また、良い香りであれば気分が良くなりますが、悪臭は避けたくなるでしょう。
さて、このことは色についても同様のことが言えます。
色によっては落ち着きますし、興奮しやすい色もあります。気分が明るくなる色もありますし、陰鬱な色も存在する訳です。色の心理的効果は幅が広いのです。
なお、この効果はインテリアにも応用が可能。上手く使えば、色で場所が心地よくなるのです。
リビングにカラーコーディネートが望まれる理由
さて、リビングは家の中心的部分です。リビングにはカラーコーディネートが望まれますが、なぜ望まれるかを再確認してみましょう。
心地よい空間にするため
まず挙げられるのが「心地よい空間にするため」です。
リビングは家の中心で家族が集まる空間。団らんの場所とも言えます。その場合、家族の全員が心地よい状態にしなければいけません。仮に、気分の悪い色を使ってしまったならば、食事も美味しくなくなり、団らんの話題もネガティブにもなり得るでしょう。
当然ながら、そのような状態は望まれません。望まれるのは「心地よさ」です。カラーコーディネートは心地よくするために必要なのです。
集まりやすい空間にするため
集まりやすい空間にするためにもカラーコーディネートは必要です。
リビングは家族の集まる場所なのですが、雰囲気によって「集まりやすさ」が違います。温かさを感じるならば行きやすいでしょうが、暗さしか感じられなければ行きにくくなるでしょう。
言うまでもないことですが、リビングは集まりやすい空間にしなければなりません。そのためにもカラーコーディネートが必要なのです。
カラーコーディネートを決める手順の例
カラーコーディネートは色見本を並べながら組み立てることも可能なのですが、そこには高度なセンスが要求されます。しかし、残念ながら、そのようなセンスは誰もが持っている訳ではありません。
ただし、決める上で有効となり得る手順は無い訳ではありません。
そこで、ここではカラーコーディネートを決める手順の例を紹介します。
テーマを決める
最初に決めるべき点は「リビングのテーマ」です。
このテーマは「言葉で決める」と良いでしょう。例えば「アンティーク」「モダン」といったイメージです。
この時に「色の名前」で決めがちですが、それは後回しにしても十分に間に合います。焦らずにテーマから決めましょう。
欲しいテイストを確認する
次に、欲しいテイストについて確認しましょう。
色のテイストにはいくつもの要素がありますが、この段階では「温かさ」「寒さ」などのような温度的な角度からのテイスト、あるいは「レトロ」「モダン」などといった色の流行の時代からのテイストを決めると良いでしょう。
ちなみに、テイストには突飛なものも出るかも知れません。もしかしたら、そのような突飛なテイストは邪魔のように思えるかも知れませんが、オリジナリティにも繋がり得ます。最初から否定するのではなく、候補として挙げておく方がベターでしょう。
色の心理的作用を確認する
ここで色の心理的作用を確認しましょう。
落ち着く色にはどのような種類があるか…といった具合に探るのです。
「リビングの場合は落ち着きが必要とされるので、ブラウン系にしよう」といった具合に家族で確認してください。
色調を決める
この段階で色調を決めます。
好きな色を出すと良いでしょう。
ただし、家族で好みの色が異なる場合には注意が必要です。ピンクが好きな女性陣とモノトーンが好きな男性陣がぶつかると、別の意味でリビングの居心地が悪くなるかも知れません。譲り合いながら決めましょう。
配色を決めるヒント
次に配色を決めるヒントを取り上げます。
言葉から色を挙げると、次の配色が考えられるでしょう。
ナチュラル
ナチュラルは優しさや安心感を醸し出す組み合わせです。
コーディネートは様々ですが、ベージュ系やアイボリー系、ブラウン系の淡い色を組み合わせると良いでしょう。
モダン
モダンな部屋は洗練された雰囲気になるのが特徴です。
モダンな配色は明度や彩度の低い色をベースにして、高級感のある色をアクセントにするのがおすすめです。。
和モダン
和モダンは現代に古き日本のテイストを融合させた様式で、ファンは多いです。
さて、和モダンの組み合わせのポイントは無彩色を中心にして、彩度の低い有彩色を組み合わせると似合います。
カラーコーディネートを決めるヒント
何もない状態からカラーコーディネートを作り出すのは至難の業とも言えます。
しかし、ヒントが無い訳ではありません。
そこで、ここではカラーコーディネートを決めるヒントを挙げてみましょう。
配色パターンについて
コーディネートを決める上では配色パターンが必要です。
では、どのような配色があるのでしょうか。
事例を挙げて紹介します。
同系色の組み合わせ
これは明度や彩度などの違う色調を組み合わせる方法です。
レッド系の色であれば、明るい色から濁りを感じるものまでを組み合わせてコーディネートを組み立てます。
配色にはグラデーションもありますが、同系色でのグラデーションも面白いです。
同じトーンの組み合わせ
トーンは明るさや鮮やかさを表す指標です。
このトーンを同一にして複数の色を組み合わせる方法があります。
同一トーンのメリットは異なる色を組み合わせても雰囲気に統一感が出る点です。
類似色の組み合わせ
類似色は似ている色調を集めて組み合わせたコーディネートです。
例えば、レッド系とオレンジ系、あるいはオレンジ系とイエロー系の組み合わせがあります。
反対色の組み合わせ
反対色は完全に反対の色。良い例がブルー系とイエロー系があります。
この組み合わせはお互いを引き立てる上で有効です。組み合わせによってはコントラストに変化が生まれるので、他のインテリアと馴染みやすくなります。
柄について
インテリア素材は単一色とは限りません。柄のものがあり、様々なパターンがあるのです。
さて、柄のあるアイテムについてもコーディネートが必要です。他の素材との組み合わせを意識して決めましょう。
コーディネートのシミュレーションについて
カラーコーディネートはネット経由で可能です。
部屋の内部の各部分を選定して色を決めれば、全体のイメージを掴むことが可能。リビングの配色を決める際に有用です。
まとめ
リビングのカラーコーディネートについて取り上げました。
コーディネートに言葉が関係することや、配色のヒントに興味を持った人もいることと思います。
これからリビングを作る人のヒントにもなったことでしょう。
リビングは家族の集まる場所のため、雰囲気作りは非常に重要です。ぜひともより良い色を探し出し、コーディネートを組み立ててください。