Columnコラム
住宅ローンはどうやって選ぶの?5つの選び方のポイントと2つの注意点を解説
家を購入する際、住宅ローンを利用する方が多いです。
しかし、住宅ローンも金融機関によってさまざまな種類があり、どのように選べば良いのかわからないという方も多いでしょう。
20〜30年など、長期間返済していかなければならないため、できるだけしっかりと検討し自分に合ったタイプの住宅ローンを選ぶことをおすすめします。
ここでは、住宅ローンの選び方のポイントと注意点について解説していきます。
住宅ローンを借りると決めたらまず確認すべきこと
住宅ローンを借りて家を買うと決めたら先に確認すべきことがあります。
- どんな家を買うのか
- 自己資金はいくら出すのか
2つの確認内容について解説していきます。
どんな家を買うのか
まず確認すべきことは、「どんな家を買うのか」。
住宅は広さや設備のグレード、家を購入するエリアによって大きく金額が変わります。
マンションの場合、毎月のローン返済だけでなく管理費の支払いが発生し、戸建て住宅だと定期的に家のメンテナンスをしなければなりません。
そのため、家を購入すると住宅ローンの返済以外にも費用を用意しなければならなくなります。
無理なく返済ができ、加えて家の修繕や管理費も支払うことを考えてどのくらいの金額を借り入れするかを決めましょう。
自己資金はいくら出すのか
次に「自己資金をどのくらい出せるか」。
一般的に、住宅ローンを組む際、物件価格の20%以上の自己資金が理想的です。
ただ、金融機関によっては頭金がなくても借り入れができるところもあります。
多めに借入し現金は万が一の時のために貯めておくのか、自己資金をできるだけ多くして借入金額を減らすか、どちらが自分の世帯にとって良いのかをしっかりと考える必要があります。
家族と話し合ったり、時にはファイナンシャルプランナーなどのお金のプロに相談してみるのも良いでしょう。
住宅ローンの選び方のポイント
住宅ローンを選ぶ際には、次の5つのポイントに注目しましょう。
- 金利のタイプはどうするか
- 住宅ローンの借入先はどこにするか
- 団体信用生命保険の補償内容はどうなっているか
- 手数料・諸費用はどのくらいかかるか
- 返済方法をどうするか
5つのポイントについて解説していきます。
金利のタイプはどうするか
住宅ローンの金利タイプは、変動金利型・全期間固定金利型・固定金利期間選択型の3つのタイプがあります。
変動金利型は、市場金利の変化に応じて金利が変動するタイプ。一般的には固定金利よりも低い金利で借り入れができ、借り入れ当初よりも金利が低くなれば毎月の返済額も低くなります。ただし、金利が上昇すると毎月の返済額が上がり、家計に影響が出ることもあるでしょう。
全期間固定金利型は、完済まで金利が固定されて返済額が変わらない金利タイプのこと。
借り入れ期間中ずっと金利が一定なので、毎月の返済額が変わらない点がメリットですが、変動金利型や固定金利期間選択型よりも金利が高めに設定されています。
固定金利期間選択型は、借り入れ当初の金利の適用期間が決まっており、適用期間が終了後は自分で金利タイプを選び直せる金利タイプのこと。
固定金利期間中は市場金利の影響を受けず、返済計画も立てやすいです。ただ、変動金利型よりも高い金利設定されている点がデメリットになります。
このように、金利のタイプによってそれぞれメリット・デメリットがあります。
どの金利タイプを選ぶかをまず検討してみてください。
住宅ローンの借入先はどこにするか
金利タイプを選んだら、住宅ローンを借りる借入先をどこにするかを選びます。
住宅ローンを取り扱っている金融機関は多いですが、大きく分けると次の3つの種類があります。
- 民間金融機関の住宅ローン
- 公的融資
- フラット35
民間金融機関の住宅ローンは、金融機関ごとに特色があります。
例えば、都市銀行なら全国に支店があり窓口対応も可能。ただ、大手顧客が多く審査が厳しめです。一方地方銀行は、審査時に個人客の事情も考慮してもらえる可能性があり、都市銀行よりも審査が通りやすい可能性があります。ただ、金利は都市銀行やネット銀行よりも高めです。
ネット銀行は一般的に金利が低めですが、やり取りは全てウェブ上か電話。不明点は自分で調べなければなりません。
少しでも低い金利が良い方はネット銀行、対面で相談したい方には都市銀行や地方銀行が良いでしょう。
公的融資は、住宅金融支援機構が提供する「財形貯蓄」をしている人のための融資。融資手数料が無料なので、住宅ローン契約にかかる費用を節約したい方におすすめですが、一定条件を満たしてなければ申し込みができない場合があります。
フラット35は住宅金融支援機構が提供している全期間固定型の住宅ローン。健康上の問題などで団体信用生命保険に加入できない場合、フラット35であれば利用できる可能性があります。
団体信用生命保険の保証内容はどうなっているか
団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンを契約した人が死亡した場合や高度障害状態になった場合、残りのローンが保険金で完済される保険のこと。
金融機関によっては、ガンや心筋梗塞になった時や要介護状態になった場合でも保障が出ることもあります。
万が一の事態に備えて団信に加入する際は、保証内容をしっかりと確認しておきましょう。
手数料・諸費用はどのくらいかかるか
住宅ローンを契約する際、家の価格だけでなく住宅ローン契約にかかる手数料や諸費用も把握しておく必要があります。
手数料・諸費用には以下のようなものがあります。
- 保証会社事務取扱手数料
- 保証料
- 登記費用
- 融資手数料
- 印紙税
- 繰上返済手数料
一般的には物件価格の約5〜10%程度の金額を用意する必要がありますが、金融機関によって異なってくるため、あらかじめ確認しておきましょう。
また場合によっては諸費用ローンを利用する手もあります。
諸費用ローンは、不動産仲介手数料や保証料、火災保険料、登記料、引越し費用をはじめとした住宅取得に関する諸費用に利用できるローンのことです。
返済方法をどうするか
返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つの種類があります。
元利均等返済は、元金と利息の合計返済額が完済まで一定で、返済計画が立てやすい返済方法。ただし、返済当初は利息割合が大きいため、元金が減りづらく、トータルで見ると元金均等返済よりも多く支払うことになります。
元金均等返済は、元金の返済額は一定で、そこに利息が上乗せされて返済する方法。元金の減りが早いのでトータルの返済額も少なくなります。しかし、借り入れ当初は返済額が多くなるため、返済負担が大きい点がデメリットです。
住宅ローンを選ぶ際の注意点
住宅ローンを選ぶ際、選び方のポイントを踏まえた上で選ぶようにしましょう。
ただし、いくつか注意点もあります。
- 金利の低さだけで選ばない
- 余裕を持って返済できる額を設定する
それぞれの注意点について解説していきます。
金利の低さだけで選ばない
借入時の金利が低いからといって、長期的に見たときに返済負担が軽くなるとは限りません。住宅ローンを借りる際、諸費用なども発生するため諸費用を含めた総返済額をシミュレーションすると、金利が高い別の金融機関の方がお得になる場合もあるのです。
金利は住宅ローンを選ぶ際の重要なポイントになりますが、金利の低さだけで選ばずに総合的に判断するようにしましょう。
余裕を持って返済できる額を設定する
借入限度額は、あくまでもお金を借りられる上限額であって、余裕を持って返済できる額ではありません。
限度額ギリギリまで借りていると、その後のローン返済が苦しい状況になる可能性もあります。
生活をしていると、住宅ローンの他に生活費や子供の教育費、万が一怪我や病気になった時の入院費など様々な費用がかかってきます。
余裕を持って返せる額を設定するなら、返済負担率を25%以下にするなど、今度の生活も考えて設定しましょう。
まとめ
住宅ローンの選び方について解説しました。
住宅ローンは、長期間支払っていくため、自分が納得して返済できる計画を立てる必要があります。
そのためにも各金融機関の住宅ローンの内容を調べて、しっかりとお金の勉強をすることをお勧めします。
これまで解説した選び方も参考に、自分たちの世帯に合う住宅ローンを選んでください。