Columnコラム
注文住宅の費用を抑える方法!建築費・坪単価・オプション費用の全貌

注文住宅の費用を抑える方法!建築費・坪単価・オプション費用の全貌
注文住宅は、自分で自由に土地を決めて、自由に間取りや設備、仕様を決められます。そのため、自分の理想を形にすることが可能です。しかし、理想を形にするためには費用が必要です。
注文住宅ではどのくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、注文住宅の費用について徹底解説します。
目次
土地代と建築費の内訳
土地代と建築費の内訳は以下の通りです。
内訳 | |
土地購入 | ・土地取得費
・仲介手数料(土地の売買価格の3%+6万円) ・印紙代 ・登記にかかる登録免許税 ・司法書士の報酬 ・不動産取得税 ・固定資産税・都市計画税 ・ローンにかかる手数料・利息 ・消費税 |
建物本体工事費用 | ・仮設工事
・基礎工事 ・木工事 ・内外装工事 ・設備設置工事 ・設計料 |
付帯工事 | ・外構工事
・水道管・ガス管の引き込み工事 ・エアコンや照明などの購入・取り付け工事 ・解体工事 ・地盤調査費用 ・地盤改良工事 |
諸費用 | ・ハウスメーカーや工務店との契約にかかる費用(手数料や印紙代)
・不動産・住宅ローンにかかる税金(印紙税、不動産取得税など) ・ローンに関する費用(融資事務手数料など) ・保険料(火災保険・地震保険・団体信用生命保険料) ・地鎮祭・上棟式 ・家具・家電の購入費用 ・引越し代 |
建物本体工事費用は住宅の購入における費用(土地代を除く)のおよそ70%以上を占めています。また、付帯工事費用は総費用の15〜20%程度かかります。諸費用は建築工事費用全体の10%程度が目安です。
住宅のグレード別の坪単価の相場
坪単価とは、建物の建築費用を建物の延床面積で割ったものです。住宅の価格を比較する際の指標としてよく用いられます。
坪単価の相場は一般的に以下の3つの価格帯に分類されます。
種別 | 坪単価 | 特徴 |
ローコスト | 40〜65万円 | ・ローコストメーカー。
・決められたプランの中から選ぶことが多い。 ・間取りの自由度は低め。 |
ミドルクラス | 65〜85万円 | ・大手ハウスメーカーも選択肢に入る。
・比較的間取りの自由度がある。 |
ハイグレード | 85〜110万円 | ・価格が高い分、間取りの自由度が高い
・RC造や鉄骨造の選択も可能。 |
上記のように価格ごとによって設計の自由度や選べるメーカーが決まってきます。
間取り・仕様による費用の違い
注文住宅は間取りや仕様によって費用が大きく変動します。
間取りによる違い
例えば、四角形で1階・2階の面積が同じ総2階の形状はシンプルな形なので、材料や工数が少なく費用が抑えられます。反対にL字型やコの字型などの複雑な形状は、材料・口数が増えるため費用が高くなりやすいです。
また、2階建てよりも平屋の方が坪単価が高くなる傾向にあります。それは、平屋は横に面積が広いためその分基礎や屋根の面積が大きくなり、材料費や工事費用が高くなるためです。ただ、2階建て以上の家は、階段が必要になったり、上階にも水道を設けたりといった追加工事が発生しやすいことから総費用では2階建て以上の家の方が価格が高くなる場合もあります。
他にも、部屋数が多かったり、ロフトや中2階などの複雑な間取りであったりする場合も費用が高くなりやすいです。
仕様による違い
例えば、外壁材にサイディングを使うのかタイルを使うのかによっても費用に大きな差がでます。サイディングは比較的安価なので多くの住宅で使われていますが、10年程度経過すると劣化症状がで始めるため、塗装や補修などの定期的なメンテナンスが必要です。タイルは耐久性が高く、1度施工すればメンテナンスフリーで使い続けられます。しかし、初期費用が高額なので、予算が合わずに採用しない方も多いです。
他にも、窓の種類をどれにするか、キッチンや浴室・トイレなどの設備のグレードをどれにするかなど様々な要因で費用が変わってきます。高額な仕様ばかりをえらぶと予算オーバーしてしまうため、優先順位をつけて仕様をえらぶようにしましょう。
地域ごとの費用相場比較
注文住宅の費用は地域によって大きく異なります。
特に変わるのは、土地の価格です。都市部では土地価格が高くなるため総建築費用も高くなる傾向にあります。郊外は土地が安いため、建物にしっかりとお金をかける人も多いです。
また、「フラット35利用者調査(2023年度集計表)」によると、地域によって建設費にも違いがあります。
北海道:3,854万円
宮城県:3,353.3万円
東京都:3,295.5万円
大阪府:3,308.2万円
広島県:3,578万円
愛媛県:3,125.2万円
佐賀県:3,407.5万円
上記のように若干ですが、費用に違いがあります。
これは、地域によって入手できる建材の種類や価格が異なったり、地域による人件費の違いがあったりといったことが要因でしょう。また、地域に気候によって必要な断熱材や外壁材なども違ってくるため費用に影響が出ます。
オプション費用と追加コスト
注文住宅では、オプションを自由に選べます。例えば、キッチンの食洗機を海外製のものを選んだり、浴室にジャグジーなどを設置したりすると当然ですが追加費用が発生します。
オプションによっては数万円の追加で済むものもありますが、お風呂やキッチンを高グレードなものに変更すると数十万円から百万円以上かかる場合もあるでしょう。
太陽光や蓄電池などを搭載したり、外壁をタイルに変更したりすると数百万円の追加もかかってきます。
予算を考慮した上でオプションの追加を検討しましょう。
ローコスト住宅のポイント
ローコスト住宅を建てるためには、以下のポイントを考慮しましょう。
- 間取りをシンプルにして余計なものを省く
- できるだけ標準仕様を選ぶ
- 建材や設備のグレードを見直す
- 自分でできるところはDIYする
- 水まわりを一箇所にまとめて配管工事を削減する
- 照明器具をLEDにする
上記のように、無駄な出費を省くことで費用を抑えたローコスト住宅を建てられます。ただ、住み心地を後回しにして費用を抑えることだけ考えて家づくりをすると、住み始めてから後悔する可能性もあります。
後悔しないためにもお金をかけるところと妥協するところにメリハリをつけると失敗もしにくいです。
注文住宅の予算の立て方
注文住宅の予算は、一生に一度の大きな買い物ですから、慎重に計画することが大切です。お金をかけすぎると住み始めてからのローン返済で苦しむ可能性もあるので、希望を叶えつつ、住み始めてからの返済計画も考慮しましょう。
そのためにも、自己資金でどのくらい出して借入をどのくらいするのかを考えることが重要です。自己資金を多く出せば、ローンの返済額を減らせます。しかし、万が一のことも考えて生活予備資金を取っておくことも大切です。
借入金に関しては、毎月どのくらいの返済額になるかをシミュレーションしましょう。月々の返済額に負担が大きいと感じる場合は、予算の見直しが必要です。
注文住宅のコスト削減方法
注文住宅でコストを削減するには様々な方法があります。
- シンプルな間取りにして建物の価格を抑える
- 安い郊外の土地を購入する
- 標準仕様を選ぶ
- 設備のグレードを下げる
また、住み始めてからのランニングコストを減らすなら、省エネ住宅を建てることも検討しましょう。初期費用は高くなってしまいますが、毎月の光熱費を節約することができるので、節約した分をローン返済に充てられます。
他にも補助金や助成金の利用も検討しましょう。自治体によっては家を購入・建築することで補助金・助成金が利用できる場合もあります。
ホームページを確認したり、実際に自治体に問い合わせたりして利用できる制度を確認してみましょう。
まとめ
注文住宅は、自由に決められることが多いので、予算を設定せずに計画を進めると高額な価格になってしまう場合もあります。住み始めてからローン返済で苦しまないためにも、はじめに資金計画を立てることが重要です。
また、どの部分にお金をかけるか優先順位をつけておくと、予算オーバーした時に後悔しない選択ができます。
資金計画で悩む場合は、ファイナンシャルプランナーや住宅会社に相談しながら決めることをおすすめします。