Columnコラム
コンパクト住宅の建築ポイント|間取りや設計で意識すべきことを解説
コンパクト住宅の建築ポイント|間取りや設計で意識すべきことを解説
コンパクト住宅とはその名の通り、小さな家のことです。小さいからといって機能性やデザインが劣っているわけではありません。最近では、ご夫婦2人暮らしや1人暮らしの住まいとしてコンパクト住宅を建てる方も多いです。
そこで、ここではコンパクト住宅を建てる時に意識したいポイントをご紹介します。
コンパクト住宅の建築を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
コンパクト住宅を建てる時に意識したいポイント
コンパクト住宅を建てる時に意識したいポイントには、以下の8つがあります。
- 動線を工夫する
- 可変性のある間取りにする
- 縦の空間を活用する
- 最適な収納計画を考える
- 日当たり・風通しを考慮する
- 防犯・防音・プライバシー対策をする
- 優先順位を検討する
- 建築前に現地を見て家のサイズ感を把握する
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
動線を工夫する
コンパクト住宅は、限られた面積の中に生活空間を作ります。そのため、暮らしやすい空間にするためには動線をしっかりと考えなければなりません。また、階段や廊下などの通路は必要最小限に抑えて移動の少ない効率的な動線計画を考えるようにしましょう。
可変性のある間取りにする
可変性のある間取りとは、ライフスタイルの変化があっても無駄な空間を生み出さずにフレキシブルに活用できる空間のことです。例えば、新築時は広いワンフロアにして、子供が成長したら部屋を間仕切りで分けて子供部屋を作ったり、和室を使わない時は仕切りを開放してリビングの一部として使えるようにするなど間取りの工夫ができます。
縦の空間を活用する
コンパクト住宅では、限られた敷地面積を有効活用する必要があるため、縦の空間を活用することが重要です。
例えば、高窓や吹き抜けを作ることで狭いリビングでも開放感のある空間を演出したり、ロフトやスキップフロアを設けて収納スペースや居住スペースを確保したりといった活用方法があります。
最適な収納計画を考える
コンパクト住宅では収納の工夫も重要です。例えば、玄関横にシューズクロークを作り、靴や子供のベビーカーなど外で使うもの以外に、かさばりやすい冬のアウターをしまうスペースを作る方法があります。また、洗濯機のある部屋にファミリークローゼットを隣接させれば、乾いた衣類をさっとしまえる動線も作れます。
このように、普段の生活でどこに収納スペースが必要なのかを考えることで、最適な収納計画を立てることが可能です。
日当たり・風通しを考慮する
コンパクト住宅は、狭い敷地に建てられることが多いです。そのため、隣家との距離が近く日当たり・風通しを確保するのが難しい場合があります。
家の中にしっかりと日の光と風を取り込むためにも、日当たり・風通しを考慮することが重要です。
例えば、吹き抜けを作って高窓や天窓を取り入れることで日の光をしっかりと家の中に取り入れることができます。また、家の中でもっとも高い位置に開閉できる「排熱窓」を取り付けることで、夏の暑い熱気を効率よく外に吐き出すことができます。
それぞれの部屋にはできるだけ2箇所に窓を設置して風の通り道を作るなど、光・風を意識して間取りを検討しましょう。
防犯・防音・プライバシー対策をする
コンパクト住宅は隣家との距離が近いため、家の中を見られやすく、音も伝わりやすいです。パーテーションや塀を設置して外から見えないように工夫したり、断熱・気密性能を高めて防音対策したりする必要があります。
また、泥棒などに狙われないようにできるだけ死角のない設計をしたり、防犯カメラや防犯砂利などを採用して防犯対策をすることも重要です。
優先順位を検討する
コンパクト住宅は、狭い土地でも建てられることから土地の価格を抑えられ、延床面積が小さいことから建物の価格も抑えることができます。そのため、余った予算で設備や内装をグレードアップすることも可能です。ただ、予算が余るからといって全てにこだわると予算オーバーする可能性もあります。
住み始めてからのローン返済も考慮して、どの部分にこだわるかなどは優先順位を決めるようにしましょう。
建築前に現地を見て家のサイズ感を把握する
家のサイズは図面だけではなかなか把握がしにくいものです。入居後に「思っていたよりもずっと狭い」という認識のズレを防ぐためにも、実際に現地をみて家のサイズ間を把握しておくことが重要です。
現地を見てもなかなか把握できない場合は、住宅会社にパースや模型を作ってもらって広さを把握するのも良いでしょう。
コンパクト住宅がおすすめの人
コンパクト住宅をおすすめしたい人は以下のような方です。
- 一人暮らしをしたい人
- 都市部に暮らしたい人
- シンプルな暮らしをしたい人
- 老後の住まいを検討している人
一人暮らしのマイホームが欲しい方には、コンパクト住宅はおすすめです。また、都市部で暮らしたい方にもおすすめします。都市部は土地の価格が高く、広い敷地を確保するのが難しいです。しかし、駅から近いなど利便性が高いので都市部に住みたいと考える方も多いのではないでしょうか。マンションではなく都市部にマイホームが欲しい方は、コンパクト住宅の建築も検討してみるのも良いでしょう。
また、ミニマリストのようにシンプルな暮らしをしたい方もコンパクトハウスとの相性が良いです。収納も必要最低限で済むので、すっきりと片付いた開放的な居住空間を作れるでしょう。
子供が独立してご夫婦2人暮らしの家を作りたい方にもおすすめです。コンパクトな間取りなら家事の負担も減らせ、平屋を建てることができればバリアフリーにすることもできます。心身ともに負担のない暮らしをしたい方にコンパクト住宅は相性が良いでしょう。
まとめ
コンパクト住宅は、狭い敷地に建てる小さな家です。限られた面積を有効に活用するためにも、ここで紹介した意識したいポイントを考慮して設計する必要があります。
また、動線や縦の空間を工夫することで、小さい家でも快適に暮らせる家づくりが可能です。まずは住宅会社と打ち合わせを行い、コンパクト住宅でも自分たちが快適に暮らせる家はどんなものなのかを考えてみることをおすすめします。