Columnコラム
RC造って何?メリット・デメリットやおすすめする人を紹介
家の建築構造には様々な種類があることはご存知でしょうか。
構造の種類によって、耐久性など特徴が全く異なります。
そこで、ここでは、建築構造の中でも丈夫な作りのRC造について詳しくご紹介します。
RC造の家を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
RC造とは?
RC造とは、鉄筋コンクリート造のことです。柱や梁・床が鉄筋とコンクリートで構成されており、鉄筋で組んだ型枠の中にコンクリートを流し込んで作られています。引っ張る力に強い鉄筋と圧縮に強いコンクリートがお互いを補強し合うことで、強固な家が作られます。
RC造のメリット
RC造には以下のようなメリットがあります。
・丈夫で耐震性・耐火性が高い
・騒音や雑音が気になりにくい
・断熱性・気密性が高い
・耐用年数が長くて長持ちする
・設計の自由度が高い
それぞれのメリットを見ていきましょう。
丈夫で耐震性・耐火性が高い
RC造は鉄筋の引っ張る力とコンクリートの圧縮に強い性質によって非常に強度が高く、非常に丈夫です。
そのため、高い耐震性を誇っており、地震にも非常に強い建物構造になっています。
また、鉄筋コンクリートは熱に強く、1000度の炎に数時間晒されても崩れず強度も下がりません。住宅の密集地でも延焼を防ぐことができます。
また、一般の木造住宅よりも、火災保険をおよそ1/3まで抑えることも可能です。
騒音や雑音が気になりにくい
コンクリートは気密性が高く、振動も起きにくいため、外部からの騒音や雑音が室内に入りにくいという特徴があります。
室内の音も漏れにくいので、楽器演奏や映画鑑賞なども楽しめるでしょう。
断熱性・気密性が高い
コンクリートの気密性の高さや、柱と壁が一体になっているなどの特徴から、高い断熱性を有しています。断熱性が高いことで冷暖房効率も高められるので、夏涼しく・冬暖かい家づくりが可能です。
耐用年数が長くて長持ちする
RC造の法定耐用年数は47年です。木造住宅は22年なので、2倍以上も長持ちするということです。コンクリートは木造よりも劣化が起きにくいので半永久的に暮らすことができます。
設計の自由度が高い
コンクリートは、曲線や円形など木造住宅や鉄骨造では作れない難しいデザインの実現も可能で、設計の自由度が非常に高いです。強度が高いため、大空間を作ることができるので、自分の理想の間取りを叶えられます。
RC造のデメリット
続いてRC造のデメリットについてです。
- 高い費用がかかる
- 地盤改良工事が必要
- 結露・カビが発生しやすい
- 増改築・解体するのが大変
それぞれのデメリットを見ていきましょう。
高い費用がかかる
RC造はコンクリートや鉄筋などの部材が高いだけでなく、建築にかかる期間も長いため人件費も高くなりやすいです。坪単価で比較すると木造の1.5倍〜2倍のコストがかかってくるでしょう。また、地盤改良工事など追加費用もかかってくる可能性があるため、できるだけ予算を多めに確保しておく必要があります。
ただ、耐用年数が長く、メンテナンスも木造住宅よりも必要ないため初期費用は高くてもトータルで見るとそれほど高い費用はかからない、という見方もできます。
地盤改良工事が必要
RC造に使われるコンクリートも鉄筋も重たい材料なので、建築するためには強い地盤が必要です。そのため、軟弱な土地の場合、地盤沈下や液状化の危険性も考慮して地盤改良工事をしなければなりません。
結露・カビが発生しやすい
コンクリートの建物は、建築後数年間は材料の中の水分が残っていると言われています。そのため、結露やカビが発生しやすくなります。
結露やカビの防止のために高性能の換気システムの導入が必要です。
また、施工中にきちんとした防水処理が行われていないと、劣化してひび割れが起こるケースもあります。RC造の建築は、建築施工実績の豊富な業者に建築を依頼し、施工不良が生じるリスクを下げるようにしましょう。
増改築・解体するのが大変
RC造は丈夫なことが最大のメリットですが、丈夫すぎることから増改築や解体が難しいというデメリットがあります。
解体時も増改築時も費用が高くなりやすいため、将来的に建て替えやリフォームを予定している方はRC造は不向きかもしれません。
RC造がおすすめの人
RC造がおすすめの人をご紹介します。
・災害に強い家にしたい人
・おしゃれな家に住みたい人
・音楽鑑賞や演奏を楽しみたい人
・静かな室内環境で暮らしたい人
それぞれ解説していきます。
災害に強い家にしたい人
RC造はその丈夫な構造が大きなメリットの1つです。
地震や台風に強い家に住みたい方には、特にRC造はおすすめです。
日本は多くの災害に見舞われやすいので、家族の安全を守るために、高い建築費用をかけて丈夫な家を建てるというのも良いでしょう。
おしゃれな家に住みたい人
コンクリートは曲線や円形の壁を作ることもできるので、自由でおしゃれな家に住みたい方におすすめです。木造住宅よりも柱が少ないため、大空間を作ることもできます。
また、傾斜地に家を建てたい方にもおすすめです。
傾斜地では、住宅を建てる際に地盤改良や擁壁が必要になりますが、RC造なら建物自体が擁壁の役割を担うので、傾斜地の特性を活かした個性的な家づくりができます。
傾斜地には法規制などがあるため、設計士の指示のもと設計が必要ですが、他にはないおしゃれな家づくりが可能です。
自分たちのオリジナルが詰まった家にしたい方はRC造を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
音楽鑑賞や演奏を楽しみたい人
RC造は防音性・遮音性が高いので、家の中で音楽鑑賞や演奏をしても外に漏れにくいです。家の中で趣味の音楽を楽しみたい方にはRC造が良いでしょう。
静かな室内環境で暮らしたい人
遮音性・防音性の高いRC造なので、家の外の騒音が聞こえにくいです。車通りの多い場所など、外の騒音をしっかりとシャットアウトしたい方にはRC造が良いでしょう。
外から聞こえる音にストレスを感じる心配がありません。
RC造の家を建てる時の住宅会社選びのポイント
日本の一戸建ては木造住宅が一般的です。そのため、RC造での建築を取り扱っている住宅会社はそれほど多くないため、住宅会社選びが非常に重要になってきます。
ここでは、RC造の家を建てる時の住宅会社選びのポイントをご紹介します。
・建設業許可の内容を確認する
・保有資格を確認する
・施工事例をチェックする
3つのポイントを見ていきましょう。
建設業許可の内容を確認する
住宅会社の技術力を見極めるためにも、建設業許可の内容を確認しましょう。
確認する内容は、「特定建設業許可」を持っているかどうかです。
特定建設業許可は、発注者から直接請けおった元請け工事において総額4,000万円以上(建築工事一式の場合は6,000万円以上)を下請けに発注するのに必要な許可です。
通常、一戸建てで6,000万円を超えるケースは多くないため、特定建設業許可を取得しているということは、マンションやアパートなどの規模の大きい建造物を手がけている会社ということになります。
マンションの場合、ほとんどがRC造なので、特定建設業許可を受けている会社はそれだけRC造の経験が豊富ということになります。
保有資格を確認する
マンションや高層ビルなどの大規模な建物を設計する場合、一級建築士の資格が必要です。
このことから、一級建築士はRC造に対する知識や経験が豊富であることが多いので、依頼先がどの資格を保有しているかは住宅会社選びの大きなポイントの1つになります。
施工事例をチェックする
住宅会社のホームページを確認し、RC造の施工実績がどのくらいあるのかを確かめましょう。実績が多く掲載されている会社ほど、RC造に対する経験も知識も豊富であることがわかります。また、自分たちが希望するデザインの家を建ててくれるかどうかも、施工実績を通してチェックしてみましょう。
まとめ
RC造は丈夫で設計の自由度が高い建築構造です。ただ、建築費用が高いなどのデメリットがあります。
また、RC造の家づくりができる住宅会社も限られています。RC造の家を建てたい場合は、RC造の建築経験の豊富な住宅会社を選ぶようにしましょう。
これまでの内容を参考に、理想のRC造の家づくりを検討してみてくださいね。