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老後の家の建替えのメリット・デメリットを解説。住み替えやリフォームとも比較

老後の家の建替えのメリット・デメリットを解説。住み替えやリフォームとも比較
今お住まいの家が老朽化したり、家族構成が変化したりすると、老後のことも考えて建て替えをするか悩む方も多いのではないでしょうか。もしくは、新たな家を探して引っ越す「住み替え」を行うか、今ある家を利用して「リフォーム」を行うかなど、たくさんある選択肢の中からどれを選ぶべきか頭を抱えている方もいるでしょう。
そこでここでは、老後の家の建て替えのメリット・デメリットを解説し、住み替えやリフォームと比較した場合、それぞれの方法がどういった方に向いているのかを解説していきます。
老後の家の建て替えを検討するタイミング
老後の家の建て替えを検討し始める時期として考えられるタイミングは、それぞれのライフスタイルや経済状況によって異なります。ここでは、一般的なタイミングをご紹介します。
50代〜60代
一般的に多いのは、リタイアメントを見据えた50代〜60代です。この時期は子供が独立して、ご夫婦のライフスタイルが変化する時期でもあります。また、経済的に安定しており、健康状態や将来の生活を考慮して今の家をより住みやすい家に建て替えることを検討する方も多いです。
築30〜40年
家を建て替えるタイミングは、一般的に築30〜40年が目安とされています。この時期になると家の耐用年数を迎えたり、設備が老朽化したりといった家そのものの老朽化が目立ち出します。また、ライフスタイルも変化することから、新築時は使いやすかった設備も使いづらくなる場合もあります。ただ、建て替え時期はそれぞれの住宅の状態や家族の経済的な状況によっても異なるため、必ずしも築30〜40年で建て替えすべきというわけではありません。
老後の家の建て替えのメリット
まずは老後の家の建て替えのメリットを3つご紹介します。
住み慣れた場所で生活を続けられる
建て替えは、今お住まいの家を解体した場所に家を建てることです。つまりこれまで住み慣れてきた場所で生活が続けられます。他の土地を探して引っ越す必要がないため、地元のコミュニティやつながりを大切にしたい方には大きなメリットです。
今の生活に合った間取りに変えられる
建て替えは、今お住まいの家を解体して新しい家を建てるので、今のライフスタイルにあった間取りに変えられるというメリットがあります。老後のことを考え、移動がしやすい間取りにしたり、手すりなどをつけてバリアフリーな環境にすることも可能です。
新しい設備を導入して快適な暮らしが実現できる
家の建て替え時は、最新設備を導入して快適な暮らしを作ることができます。最新の設備を導入すれば、省エネ性能や安全性も向上するので、長期的に見るとこれまで使用していた古い設備を使い続けるよりもコストの削減が可能です。
老後の家の建て替えのデメリット
続いて老後の家を建て替える際のデメリットを見ていきましょう。
仮住まいと2度の引っ越しが必要
建て替えは、今ある家を解体して新しい家を建てるため、建設中は仮住まいに滞在しなければなりません。仮住まい先の賃貸での家賃が大きな出費となるでしょう。また、今の住まいから仮住まいへの引っ越しと、家が完成してからの仮住まいから新居への引っ越しの2段階での引っ越しが必要です。引っ越し準備や費用負担もかかるため、精神的にも疲れてしまう可能性があるでしょう。
法的な制約に要注意
築年数が経過した住宅の場合、これまでに建築基準法や都市計画法などの法令が改正されており、従来の床面積では家を建てられない可能性もあります。他にも法的な制約によって希望通りの家にならないケースもあるでしょう。
立地によってはそもそもその土地での再建築が不可能である場合もあります。当時は問題なくても、その後の建築基準法の改正によって規制がかかると家を解体して新築を建てることができません。
そもそも建て替えができるのかどうかを、家の建築をお願いする施工会社に調べてもらいましょう。そこで「問題ない」と判断が出てからでなければ建て替えはできません。
解体費用と滅失登記費用がかかる
仮住まいや引っ越しの費用だけでなく、古い住まいの解体費用や滅失登記費用もかかります。木造の場合、解体工事に100万円以上かかることがあります。また、建て替えの場合、古い家の建物滅失登記と新しい家の建物表題登記、住宅ローンの所有保存登記や抵当権設定登記の4つの登記も必要なので、その費用負担も考えなければなりません。
建て替え・住み替え・リフォームのメリット・デメリット比較
建て替えのメリットをお伝えしました。ここからは、住み替えとリフォームのメリット・デメリットもまとめてそれぞれの違いを比較してみましょう。
メリット | デメリット | |
建て替え | ・住み慣れた場所で生活を続けられる
・今の生活に合った間取りに変えられる ・新しい設備を導入して快適な暮らしが実現できる |
・仮住まいと2度の引っ越しが必要
・法的な制約に要注意 ・解体費用と滅失登記費用がかかる |
住み替え | ・老後のライフスタイルに合った家を選べる
・今の家の売却費用を購入資金に充てられる ・仮住まいが不要 ・住宅ローンを利用しやすい |
・住み替えしたいタイミングで家が売れない可能性がある
・住宅ローンの残債があれば一括返済が必要 |
リフォーム | ・コストが抑えられる
・工期が短い ・改修やリフォームする場所を自分で選べる ・家財の処分をしなくても良い ・税金の減免措置が受けられる |
・必ずしも理想の間取りにできるわけではない
・地盤改良ができない ・工事内容によっては建て替え・住み替えを変わらないくらいコストがかかることもある |
上記のようにそれぞれのメリットデメリットがあります。これらを踏まえて、それぞれの方法はどのような方に向いているかをみていきましょう。
今の環境を変えたくないなら建て替え
今お住まいの家の立地を気に入っている、せっかく知り合った近所の知人や友人から離れたくない、という方は建て替えがおすすめです。
建て替えなら、今の立地を変えずに暮らしの質を高めることができます。ただ、家の解体や新築には多額の費用がかかってくるため、資金と時間に余裕がなければ実現が難しい可能性が高いです。
住む場所を変えたいなら住み替え
住み替えは、今お住まいの家から別の場所に引っ越すため、新しい環境に住みかえたい方におすすめです。
家の売却費用を新居の購入費用にもあてられるので、建て替えよりも費用を抑えて実行できる点はメリットといえるでしょう。ただし、今の家がどのタイミングで売れるかはわかりません。不動産会社に相談しながら、早期売却を目指すことが重要です。
費用を抑えたいならリフォーム
リフォームは、今の家を活かした状態で新しい設備や仕様を取り入れて行う工事です。費用を抑えて暮らしの質を高めることができます。部分的にリフォームするのであれば、仮住まいを用意する必要もない場合が多いです。
ただし、フルリノベーションをする場合は、仮住まいを用意しなければならず、さらに高額なコストもかかります。耐震性能を高める耐震リフォームや、断熱性能を高める断熱リフォームをする場合も費用が高くなりやすく、トータルすると建て替えと費用があまり変わらないということにもなりかねません。
まとめ
老後の建て替えのメリット・デメリットを中心にご紹介しました。また、老後の家の建て替え・住み替え・リフォームを比較した場合のメリット・デメリットで、それぞれの方法はどういった方に向いているかも理解いただけかと思います。
老後が近づいた時に、今住んでいる家の設備や仕様を改善したいと考える方は、建て替えの検討もしましょう。ただ、コストや引っ越しなどの手間がかかるため、資金計画やスケジュールの調整が必要です。
他にも法的な制約などさまざまな注意点があるため、建て替えの実績の多い施工会社に相談しながら家づくりを進めることをおすすめします。
「建て替えの相談をしたい」という方は、家づくりのプロであるユピテルはうすにご相談ください。