Columnコラム
サッシとは?種類や性能の違い、昔と今の比較まで徹底解説

サッシとは?種類や性能の違い、昔と今の比較まで徹底解説
窓は採光と通風のために非常に重要な部分ですが、様々な種類があることをご存じでしょうか。
また、家の居住性の確保のために、様々な要求性能があることをご存じでしょうか。
ところで、今の住宅の窓にはサッシが使われていますが、サッシはあまりにも身近過ぎて知られていないことも多いと思います。
そこで、ここではサッシを取り上げ、その種類と性能について解説します。
サッシとは何か
サッシは枠と障子から構成されています。
枠は躯体に取り付ける部分、障子はガラスが入っていて動く部分です。障子が可動して開閉します。
素材はアルミ製が多いのですが、最近は樹脂を組み合わせたタイプも多くなっています。
ちなみに、アルミは軽量で腐食しにくい金属です。美しさは長く維持されます。
主なサッシ
引き違い窓
障子を左右にスライドさせて開閉する窓。最もポピュラーなサッシです。
片上げ下げ窓
障子を上下にスライドさせて開閉する窓です。
たてすべり出し窓
片側を軸にして吊り込んで、ドアのように開閉する窓です。
すべり出し窓
障子の上を軸にして吊り込んでいる窓。上を軸芯として前後に開閉します。
FiX窓
ガラスをはめ込んでいるだけの開閉しない窓です。
サッシの性能項目
一見するとサッシは単なるガラス窓に見えるかも知れません。
しかし、サッシには様々な性能があり、用途に合わせて作られています。
ただ、サッシの性能についてはあまり知られていませんので、ここで項目別に紹介をしましょう。
基本性能
まずはサッシの基本性能を取り上げます。
基本性能は強度、漏水、そして隙間風の入りにくさに関する性能です。
耐風圧
サッシの強度は耐風圧性能によって表されます。耐風圧とは窓の面積1㎡あたりに加わる圧力に対する強度です。単位は圧力の単位のPa(パスカル)で表されます。
また、耐風圧に関する強度はS-1(800Pa)からS-7(3600Pa)の7つの等級です。
窓は設置される地域や地理条件などに受ける風の強さが大きく異なります。サッシを選ぶ際には、その条件に合わせて等級を決めれば良い訳です。
水密性
水密性は風雨がサッシに当たった時の漏水に対する強さを指します。
イメージとしては台風などのように、水を掛けながら風圧力で窓を押すものです。
性能としては、W-1からW-5までの5段階。この段階は風圧力の圧力差によって区分されます。
ちなみに、W-1は水を掛けながら100Paの圧力を掛けた状態、W-5は500Paの圧力を掛けた状態です。
気密性
気密性は隙間風の入りにくさを示す性能です。
サッシに圧力を掛けて、その際に発生する空気の漏れる量によって区分をします。区分はA-1からA-4の4つの等級。用途によって使い分けられます。
例えば、防音や断熱が求められる部分ではサッシの内外の空気の出入りが少ない方が性能は高いです。そのため、学校の音楽室のような防音性が求められる場所で気密性の高いサッシが使われます。
安全・安心に関係する項目
次に、生活する上での安全や安心に関係する性能を挙げてみましょう。
住宅は生活する人の安全を確保し、安心できる環境を維持しなければいけません。サッシはその点でも重要で、性能が確保されているかが重要となるのです。
防火性
防火性は火炎に対する強さです。
火災が発生した際に、サッシが延焼をどれくらい防げるかの性能と言えます。
ところで、防火性能には試験があります。試験方法は実際に火炎を使って窓を加熱するもの。これによって破損や延焼の有無を確認します。
防犯性
窓は住宅の防犯を考える上で最も重要な部分。というのも、昨今の侵入犯罪は窓を破るケースが多いからです。
さて、侵入者は窓を破って侵入をするのですが、侵入のために窓を攻撃して5分で破れなかった場合には侵入を諦めて立ち去る場合が非常に多い…という統計があります。
サッシの防犯性はこの統計を元にした実験で確認されます。その試験を通った製品は防犯性の高い商品として認定されるのです。
快適さに関係する項目
住宅は安全性などと同様に、住む人の快適性を維持しなければいけません。
サッシはその点でも重要です。
断熱性
窓は熱の出入りが激しい部分。それだけにサッシの断熱性は室内の気温の維持に大きく影響します。
サッシは窓ガラスとの組み合わせで断熱性が決まります。区分としてはH-1からH-8まで。熱の移動による区分です。
なお、熱の移動が大きいことは光熱費にも影響します。熱の移動が多いことはエアコンの使用量が多くなるので、光熱費もそれだけ膨らんでしまうのです。その一方で、熱の移動が抑えられれば光熱費もそれだけ抑えられます。光熱費が安くなるのです。
遮音性
心地よい環境は「静かさ」なくしてはありません。また、隣の部屋に電話での会話が筒抜けだったらプライバシーの点で大きな問題となります。
そのためにもサッシには遮音性が必要です。
さて、サッシにも遮音性能があります。区分はT-1からT-4までの4区分です。
ちなみに、音には空気中の振動の伝搬によって発生する空気音と、固体を伝わる打音があります。サッシの遮音は空気音です。
昔のサッシと今のサッシ
建築分野のテクノロジーは他の産業で培われた技術を応用して成立する場合が多いです。そのため、昔の資材と今の資材では驚くレベルでの進化が見られます。
サッシも例外ではなく、昔のものと今のものでは相当に変わっています。
そこで、ここではサッシの進化の例をピックアップして紹介します。
断熱性の向上
ガラスの歴史を振り返ると、昔と今では相当に違います。
昔は一枚のガラスを窓に設置していましたが、今では複層ガラスが多くなっています。それによって、断熱性が驚くレベルで向上しました。
しかし、断熱性の向上はそれだけに留まりません。
というのも、複層ガラスの上を行くガラスが登場したからです。
代表的なのが真空ガラス。中に真空層を設けて断熱性を高めたのです。性能としてはシングルのガラスの4倍とも言われます。断熱性の向上は驚異的なのです。
ちなみに、断熱性の向上に関する技術が他にもあります。例えば熱線カットの技術。太陽光に含まれる熱線を遮断して居室内の温度上昇を防ぐのです。
遮音性の向上
真空ガラスは断熱性の向上を実現しただけではありません。遮音性の向上をも成功しました。
これも真空層による効果。音は空気の振動として伝えますが、真空ガラスは伝える空気がありません。そのため、音の伝わりが少なくなり、遮音性が向上したのです。
防犯性の向上
ガラスの進化は防犯性の向上をも実現しました。
例えば、ガラスの間に特殊なフィルムを挟んだタイプがあります。このフィルムの特徴は「破れにくい点」です。
さて、窓ガラスを破る手口の代表的なものに、サッシの錠のまわりに工具で穴を開けるものがあります。開いた穴に手を差し込んで錠を開けるというものです。
しかし、この手口はガラスを貫通することが前提のため、割れたとしても手を差し入れる穴が開かなければ鍵を開けることができません。
フィルムを挟んだガラスはこの手口を防ぎます。というのも、仮にガラスが割られたとしても、フィルムが残るため、手を差し込むことができないからです。
まとめ
サッシについて解説しました。
サッシの種類や性能、そして新しいサッシの進化についてイメージができたことと思います。また、新築住宅の性能について改めて知った人も多いのではないでしょうか。
いずれにせよ、サッシは住宅の中でも採光に関係する重要な部分です。家づくりを考える際にも留意すると良いでしょう。