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グルニエとは?メリットと活用方法をわかりやすく解説
グルニエとは?メリットと活用方法をわかりやすく解説
グルニエという言葉をご存じでしょうか?フランス語で「小屋裏」という意味のあるグルニエは単なる収納スペースとして活用するだけでなく、様々な用途で使えます。
ここでは、グルニエのメリットやデメリット、活用方法について解説していきます。
グルニエとは?
グルニエとは屋根裏などの空間のことです。一般的には天井が低く、換気や温度調整が難しいことから収納スペースとして使われることが多いです。
しかし、最近では、そんなグルニエのデメリットを解消して、快適に使える部屋として使う方も増えています。住む人の活用方法次第でグルニエは様々な使い方が可能です。
ロフトとの違いは?
同じ小屋裏収納としてロフトがあります。どちらも同じ屋根裏空間を活用した部屋ですが、厳密にいうといくつか違いがあります。
ロフトはフロアの天井を高くして部屋の一部に2階建てを作るような構造です。そのため、天井が平らで部屋の延長線上にあるような開放感があります。一方でグルニエは屋根裏の天井と屋根の間に作られるため、屋根の形状に沿って傾斜のある天井になっているのが特徴です。
また、建築基準法により、グルニエが収納スペースであるという位置付けのために固定式のはしごの設置ができません。取り外し式や折りたたみ式のハシゴが必要です。ロフトは部屋の一部として使われることから移動しやすい固定式の階段やハシゴが設置されることが多いです。
同じ屋根裏空間の部屋ですが、グルニエは「傾斜のある収納空間」、ロフトは「開放感を演出できる多目的な空間」という違いがあります。
グルニエのある家のメリット
グルニエがある家には、以下のようなメリットがあります。
- 延床面積に含まれない
- デッドスペースを有効活用できる
- 大容量の収納スペースになる
- 雨漏りなどの点検がしやすい
それぞれのメリットについて解説していきます。
延床面積に含まれない
グルニエは、天井高さは1.4m以下で面積が下の階の1/2以下であれば延床面積に含まれません。
延床面積とは、家のすべての階のスペースを合計した面積のことです。居住スペースはもちろんのこと、水回りやトイレ、廊下などあらゆるスペースを延床面積に含めます。しかし、グルニエは、先述した天井高さと面積の条件を満たせば、延床面積に含める必要がありません。
延床面積に含まれないことで、グルニエ部分は固定資産税がかからないというメリットがあります。固定資産税は家を購入すると毎年支払わなければならない税金のため、少しでも負担が減ることはとても助かることではないでしょうか。
デッドスペースを有効活用できる
屋根裏部分はデッドスペースになりやすいです。狭小住宅のように面積が限られている家の場合、少しでも居住スペースを広く確保するためにも屋根裏部分を収納として効率よく活用できます。
大容量の収納スペースになる
住宅の作りにもよりますが、屋根裏部分を利用するグルニエは通常の収納スペースよりも大きな空間を確保できる場合が多いです。そのため、家具やスポーツ用品、子供のお雛様などの大きなものもしまえる大容量の収納スペースの確保が可能です。
雨漏りなどの点検がしやすい
グルニエは、屋根裏部分を目視できるので、万が一雨漏りした時にはすぐに発見できます。通常の住宅だと屋根からの雨漏りや柱・梁の腐食は気づきにくいですが、グルニエがあれば点検もしやすいので早期発見も可能です。
グルニエのある家のデメリット
続いて、グルニエのある家を建てると、次のようなデメリットが発生する可能性があります。
- 費用がかかる
- 高温多湿な空間になる
- 荷物の出し入れが大変
- 使わなくなる可能性がある
それぞれのデメリットについて解説します。
費用がかかる
当然ですが、グルニエを建築するには費用がかかります。通常の家の屋根裏部分に空間を作るため、その分の費用が発生するためです。グルニエを作るかどうか検討する際は、予算と相談しながら検討しましょう。
高温多湿な空間になる
屋根裏部分は屋根からの熱を受けやすいため、気温が上昇しやすいです。また収納として使う場合、窓を設置しない場合も多いことから、湿度も高くなりやすいというデメリットがあります。高温多湿な環境は、カビやダニの温床になり得るため、換気用の窓や換気扇を取り付けたり、空調設備を完備したりといった対策が必要です。
荷物の出し入れが大変
グルニエは可動式のはしごを使って登り降りします。そのため、大きな荷物の出し入れに大きな負担を感じてしまうかもしれません。収納する物を出し入れしやすいものに限定したり、はしごではなく階段を設置したりといった対策が必要です。
使わなくなる可能性がある
先にも述べたように、グルニエは建築基準法により固定式のはしごの設置ができないため、可動式のはしごを使用することとなります。荷物の出し入れが大変なだけでなく、登り降りの負担もあることから、最終的にグルニエを使わなくなってしまう可能性もあります。
グルニエはどうやって活用できるの?
グルニエは収納スペースとして利用されることがほとんどでした。それはスペースが限られており天井高さも低く、高温多湿なことから生活スペースとして使えないとされていたためです。
しかし、最近ではグルニエを収納としてだけでなく様々な方法として活用する人も増えています。グルニエの活用方法をご紹介します。
収納スペース
季節物の衣類や子ども用品などを収納するスペースとしてグルニエは大活躍します。グルニエにものを収納するようにすれば居住スペースをスッキリと片付けられます。ただ、収納スペースとして活用する場合は、換気や空調機能をグルニエに設置しましょう。温度の影響を受けやすいお雛様なども安心して収納できます。
子供部屋
子供部屋として活用するのもおすすめです。子供にとっては秘密基地のような感覚でグルニエを活用できるはずです。子供が壁や床を傷つけてしまっても、グルニエなら人目に付きにくいことから気になりません。
書斎
グルニエは屋根裏の天井と屋根の間に作られるスペースなので、他の空間と少し隔離されており静かな環境です。空調や換気、窓や照明など環境を整えれば、書斎としても使えるでしょう。1人で集中したい場合におすすめです。
趣味部屋
映画鑑賞・音楽鑑賞や読書など、静かに行う趣味スペースとしてグルニエを活用するのもおすすめです。居住スペースに自分だけの趣味部屋を取り入れるのが難しい場合には、グルニエを活用してみてはいかがでしょうか。
寝室
ある程度の広さが取れるなら、寝室として使うのも良いでしょう。寝るためだけの部屋なら、多少天井が低くても問題ありません。空調や換気、窓などを完備すれば快適に眠れる空間が作れます。
まとめ
グルニエは、屋根裏に作られる収納として使われていました。しかし、最近では、グルニエをより活用するために様々な用途で大活躍しています。
高温多湿で対策が必要などのデメリットもありますが、新築・リフォーム時にグルニエのデメリットも知った上で活用できるかを考えて取り入れましょう。
これまで解説したことも参考にグルニエをマイホームに取り入れてみてはいかがでしょうか。