Columnコラム
ツーバイフォーとは?特徴・メリット・デメリットを徹底解説
皆さんはツーバイフォー工法というものをご存知でしょうか?
ツーバイフォーとは枠組壁工法と呼ばれる工法の一つであり、ハウスメーカーや工務店などで採用されている工法でもあります。
ハウスメーカーや工務店を利用したことがある人なら1回くらいは聞いたことがある人もいるかもしれませんが、どんな工法なのか知らない人もいるでしょう。
ツーバイフォーにはさまざまなメリットがありますが、デメリットもあるので、これからツーバイフォー工法で家を建てたい人は要チェックです。
それでは、ツーバイフォー工法とは何か、その他の工法とどんな違いがあるのか、メリットやデメリットについてご説明しましょう。
ツーバイフォーとは?
ツーバイフォーとは枠組壁工法と呼ばれる工法で、木材を組み合わせて作る枠組を接合してパネルを作った後に、6面体の箱を作っていきます。
この6面体の箱を基本構造として家を建てていく工法です。
天井や床、壁の箱状の構造体を作ればいいので高い技術を必要としません。
また、6面体にすることによって横に並べたり上に積んだり内部を仕切ったり一部をくりぬいて窓を作ったりするため、汎用性が高いのも大きなポイントです。
特にアメリカやカナダなどの世界各国で採用されているほどなので、その汎用性の高さが分かります。
その他の工法とどんな違いがある?
ツーバイフォー工法の他に、在来工法とラーメン構造の2種類があります。
それぞれさまざまな違いがあるので、どんな違いがあるのか知ることも大切です。
それでは、その他の工法とどんな違いがあるのかご説明しましょう。
在来工法
在来工法とは木造軸組工法のことで、古くから現代まで採用され続けているのが特徴です。
在来工法は基礎を作った後に柱を立てて梁を渡し、筋交いを使いながら補強して骨組みを作ります。
このときに斜めに筋交いを入れることによって、建物に何らかの大きな力が水平に加わったときに損壊したり倒れたりしないようになるのがポイントです。
建物を面で構成するツーバイフォー工法との違いは、建物を柱や梁、筋交いなどを軸に線で構成している点です。
ラーメン構造
ラーメン構造とはSE構造のことで、剛接合によって柱と梁を一体化させているのが特徴です。
この剛接合によって柱と梁が強く固定されていることから、地震や台風などの災害にも強いのがポイントです。
筋交いなどの斜め材を入れる必要性がないことから、間取りの自由性が高くなるのも嬉しいポイントでしょう。
ツーバイフォーのメリット
ツーバイフォーのメリットは、以下の通りです。
- 耐震性が高い
- 耐火性に優れている
- 耐久性も高い
- 気密性や省エネ性が高い
- 品質に差が出にくい
それでは、ツーバイフォーのメリットについてご説明しましょう。
耐震性が高い
日本で住宅を建てるにあたって重要なのは、耐震性の高さです。
日本は地震大国と言われるほど地震が頻繁に発生するため、住宅の耐震性の高さは非常に重要なポイントです。
その点で言えば、ツーバイフォー工法は耐震性の高さが大きなメリットになります。
ツーバイフォー工法は面で建物を構成しているので、地震が来ても建物全体で揺れを受け止めつつ分散させることができます。
地震による力が建物に一点集中することがないため、地震による影響が最小限に抑えられるのがポイントです。
耐火性に優れている
ツーバイフォー工法による建物は耐火性に優れているのも大きなメリットです。
これは天井や壁の内側に石こうボードが貼り付けられているからです。
石こうボードに含まれている結晶水に火が当たると熱分解を起こして水蒸気を発生させるので、火災による建物内部の温度上昇を防いで燃え広がる時間を大幅に遅らせることができます。
また、ファイヤーストップ構造によって、一定間隔で組まれた枠組材が空気の流れを遮断します。
これにより、もしも石こうボードが火災の影響で破壊されてしまったとしても、ファイヤーストップ構造によって被害を大きく抑えられる隙を生じぬ二段構えになっているのがポイントです。
耐久性も高い
ツーバイフォー工法はJAS規格に基づく含水率19%以下の乾燥剤を使用し、釘や金物には防さび効果を高める亜鉛メッキを施します。
壁内に断熱材を入れ、小屋裏には換気機能を搭載することにより、結露やカビ対策をこれでもかというほど徹底して行っていることから耐久性に優れているのが大きなポイントです。
季節や地域によってはひどい湿気に悩まされることがありますが、ツーバイフォー工法で建てられた家なら安心して長く暮らすことができるでしょう。
気密性や省エネ性が高い
ツーバイフォー工法は気密性や省エネ性能に優れているのもポイントです。
建物の外壁に使われる木材は外気温の影響を受けにくいので、室温が必要以上に上がりにくくなります。
さらに室内側の壁に石こうボード、建物全体を断熱材で覆うことによって断熱性能が高まるため、気密性が高くなります。
気密性が高くなると外気温の影響を受けにくい上に室内の温度も下がりにくいことから、エアコンの温度を必要以上に調整しなくても安定した室温が保てるのがメリットです。
総じて省エネ性能の高さにつながるため、電気代などの節約になります。
品質に差が出にくい
在来工法などはコスト削減のために部材の調整などができますが、品質に差が出やすいのがデメリットです。
しかし、ツーバイフォー工法で使用される部材や部品はあらかじめサイズや使用箇所、手順などが細かく規定されているため、品質に差が出にくいのがメリットです。
品質や性能が安定していることから、安心して家が建てられるでしょう。
ツーバイフォーのデメリット
ツーバイフォーのデメリットは、以下の通りです。
- 建築コストの削減が難しい
- 間取りに制限がある
- リノベーションしにくい
それでは、ツーバイフォーのデメリットについてご説明しましょう。
建築コストの削減が難しい
さまざまなメリットがあるツーバイフォー工法ですが、基本的に建築コストの削減が難しいのがデメリットです。
というのも、ツーバイフォー工法は構造体に使用する部材の企画が固定されているため、部材の変更によってコスト削減をすることができません。
在来工法などの場合、建築基準法の範囲内であれば部材の変更ができるので、コスト削減の余地があります。
ですが、ツーバイフォー工法だとコストが削減できないため、据え置きの費用で建てることになります。
間取りに制限がある
ツーバイフォー工法は柱などではなく面で建物を支える構造なので、間取りの自由度に制限がかけられます。
構造部材や耐力壁、開口部などの寸法に規定があるため、壁を抜いて間取りを広げるといったことはできません。
リノベーションしにくい
ツーバイフォー工法で建てられた建物は、後からリノベーションして間取りを変えたいと思ってもやりにくいのがデメリットです。
最初からリノベーションすることを想定して家を建てているならまだしも、そうでない場合は計画を立てるのも大変です。
特に工務店は大手ハウスメーカーにツーバイフォー工法のノウハウが集中していることもあって苦手としているケースが多くあります。
場合によってはリノベーションができるケースもあるので、ツーバイフォー工法が得意なところに相談するのがおすすめです。
まとめ
ツーバイフォー工法は基本的に耐震性や耐火性、耐久性、気密性や省エネ性能に優れているなど、さまざまなメリットがあります。
確かにコスト削減が難しいので費用を抑えることができず、間取りの自由性も低いのは気になりますが、それを補って余りあるほどのメリットがあると言えます。
これから家を建てる計画を立てるなら、是非ともツーバイフォー工法を検討してみてはいかがでしょうか。