Columnコラム
おトクに新築住宅を購入!新築のための頭金を貯める方法
新築住宅を購入する際、住宅ローンを利用するにしても、一定の頭金を用意したほうがいいとされます。頭金をしっかり用意すれば、頭金ゼロでローンを組むよりも、新築マイホームをおトクに購入することが可能です。
この記事では、新築住宅購入時の頭金の目安や用意すべき理由を解説するとともに、着実に頭金を貯めるための方法を紹介します。
新築住宅購入時の頭金は1〜2割が目安
頭金とは、住宅購入時に用意する自己資金のことです。住宅ローンを借り入れる場合、購入金額から頭金を差し引いた金額(諸費用は別途)の融資を受けるのが一般的です。頭金は「購入金額の1〜2割程度が目安」とされます。一方で、明確な基準があるわけではないため、頭金ゼロでの購入も可能です。
住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」で、取得した住宅の種類別に頭金(手持金)の割合を見ると以下のようになっています。
住宅の種類 | 手持金の平均割合 |
注文住宅 | 18.1% |
土地付注文住宅 | 9.7% |
建売住宅 | 8.2% |
(出典)住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」
取得した住宅の種類によってバラつきがあるものの、頭金はおおむね1〜2割の範囲に収まっていることが見て取れるでしょう。
一定の頭金を用意すべき3つの理由
平均で1〜2割程度の頭金を準備するのが標準的ですが、頭金ゼロでも新築住宅を購入することは可能です。それでは、なぜ一定の頭金を用意すべきとされるのでしょうか。3つの理由を解説します。
①住宅ローンの返済負担が減るから
頭金を用意すべき理由として最も大きいのが、将来の住宅ローンの返済負担が減るからというものです。頭金の分だけ住宅ローンの借入額を減らせるため、返済しなければならない金額も少なくなります。
例えば、フラット35を利用して5,000万円の新築住宅を建てるケースで考えてみます。以下は、返済期間35年、ボーナス払いなし、2024年10月時点での適用金利年1.820%(新機構団信付き・融資率9割以下)もしくは年1.930%(同・融資率9割超)で借りる場合の試算です。
頭金額 | 借入金額 | 適用金利 | 毎月返済額
|
総返済額
|
①0万円 | 5,000万円 | 年1.930% | 16.4万円 | 6,882万円 |
②100万円 | 4,900万円 | 年1.930% | 16.1万円
(−0.3万円) |
6,744万円
(−138万円) |
③300万円 | 4,700万円 | 年1.930% | 15.5万円
(−0.9万円) |
6,469万円
(−413万円) |
④500万円 | 4,500万円 | 年1.820% | 14.5万円
(−1.9万円) |
6,088万円
(−794万円) |
⑤1,000万円 | 4,000万円 | 年1.820% | 12.9万円
(−3.5万円) |
5,412万円
(−1,470万円) |
(参考)【フラット35】「金利情報」
(参考)【フラット35】「借入希望金額から返済額を計算」
こうして比較すると、②〜⑤のいずれも総返済額の①との差が頭金額よりも大きくなっており、頭金を入れたほうがおトクに住宅を購入できることがわかります。頭金が多ければ、毎月の返済額も少なくなるため、将来の暮らしにも余裕が生まれるのです。
なお、フラット35は、物件の購入金額に対する借入金額の割合を示す「融資率」によって適用金利が変わるので、頭金を多く入れる④⑤になるとおトク感が増すのも特徴です。ほかの住宅ローンでも、頭金割合によって金利が下がることがあるので、事前にチェックしておくとよいでしょう。
②担保割れのリスクが下がるから
担保割れのリスクを下げられるというのも、一定以上の頭金を入れるメリットです。担保割れとは、住宅を売却するとき、売却価格が住宅ローン残高よりも低くなることをいいます。担保割れを起こすと、住宅が売れても住宅ローンを完済できないため、新居へ買い替えるには不足分を自己資金で補完しなければなりません。
頭金が少ないほど住宅ローンを多く借りなければならず、売却時のローン残高も大きくなります。そのため、担保割れを起こすリスクが高くなるのです。ライフスタイルやライフステージの変化により、将来自宅を売却する可能性があるなら、一定の頭金を入れておいたほうが無難でしょう。
③金利変動の影響を受けにくくなるから
住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)」によると、2022年10月〜2023年3月までに住宅ローンを利用して住宅を取得した人のうち、約7割が変動金利型を選択しています。
変動金利型は、返済期間中でも市中金利の変動に応じて借入金利が上下するのが特徴です。日本では超低金利状態が長年続いてきたため、当初の借入金利が低い変動金利型を選ぶのが主流でした。2024年に入って、日銀が利上げの姿勢を示しているものの、依然として変動金利が選ばれやすい傾向は変わっていません。
頭金を入れると、利息の対象となるローン残高が小さくなるので、今後金利が上がっていったとしても家計への影響を小さくできます。金利がどうなるか見通せない現状では、頭金を多く入れて不安材料を減らすのも一つの手です。
新築購入の頭金を貯める方法
頭金を入れるメリットは理解できても、そのためのお金を貯める難しさを感じている方も多いのではないでしょうか。新築購入のための頭金を貯めるにはどのような方法が効果的なのか、順番に見ていきましょう。
定期預金や財形貯蓄でコツコツ貯める
毎月の給料やボーナスなどから一定額を出し、時間をかけてコツコツ貯めるというのが基本の方法。毎月一定額を普通預金口座から自動で振り替える、「積立式定期預金」を利用するのがおすすめです。普通預金に比べれば高い利率で預けられるうえ、あらかじめ決めた期間は預金を引き出せないので、コツコツ貯金をするのが苦手な方でも取り組みやすいでしょう。
また、勤務先が「住宅財形貯蓄」制度を取り扱っている場合、それを利用するのも有効です。住宅財形貯蓄は、毎月の給与やボーナスから設定額を天引きする仕組みなので、一度設定すれば自動的に頭金が貯まっていきます。一定額までは利子非課税になる点もメリットです。
生命保険や高額品の売却で資金を得る
コツコツ貯めるのと合わせてぜひ検討したいのが、加入している生命保険の見直しです。新卒後すぐに加入した保険など、10年以上入り続けている商品の場合、現在必要な保障範囲をカバーできていない可能性があります。不要なオプションを見直したり、保険料の安い会社の商品に切り替えたりすることで、頭金が貯まるペースを早められるかもしれません。
自動車やブランド品などの高額品を所有している人は、使わないものを売って資金を得るのも効果的です。
資産運用で効率的に資金を増やす
頭金を貯めるのではなく、手元資金を運用して住宅ローンを負担なく返済するという方法も考えられます。新NISAのスタートで資産運用に取り組む方も増えていますが、住宅ローン金利よりも高い利回りで運用ができれば、頭金を入れるよりも経済的な負担を軽減できるでしょう。10年、20年と順調に資産を増やしていけたなら、どこかの時点で住宅ローンの繰上げ返済をする選択肢もあります。
ただし、投資信託や株式は必ずしもプラスになるとは限らず、元本割れのリスクもゼロではありません。あくまでもリスクを許容できる範囲での運用を心がけましょう。
頭金を貯めるにあたって気をつけるべきこと
頭金を入れることは大切ですが、貯めるにあたっては気をつけなくてはならない点が3つかあります。
頭金を貯める間に金利が上昇する可能性がある
頭金をコツコツ貯めようとすると、目標金額によって5年以上かかるかもしれません。5年もたてば世の中の状況は大きく変わります。昨今の金利状況を考えると、頭金が貯まってマイホーム購入を決める頃には、今よりも金利が上昇している可能性もあるでしょう。金利が上がれば返済額も大きくなるので、頭金ゼロで今すぐ購入したほうが、結果的に支払額が小さくなることもあるのです。
こればかりは経済情勢次第なのでどちらがいいとは言えませんが、「頭金は多く貯めるほどいい」わけではないことを十分認識しておきましょう。
頭金を貯める間も家賃を払い続ける必要がある
頭金を貯める間、賃貸に住み続けるとなれば、当然その間の家賃を支払い続ける必要があります。先ほど「頭金を入れて融資率が下がると、頭金以上に総返済額が減るのでおトク」と紹介しましたが、ここには頭金を貯めている間の家賃は含まれていません。
資金計画をシミュレーションしたとき、毎月のローン返済額より家賃のほうが高いようであれば、頭金を貯めるよりも早めに購入したほうが、トータルの支払い額を抑えられる可能性が高いでしょう。
生活防衛資金を確保しておく必要がある
貯蓄が十分にあるからといって、頭金を入れ過ぎるのは危険です。勤務先の倒産、ケガや病気、災害など、不測の事態が発生するリスクは誰にでもあります。貯蓄の大半を頭金に充ててしまうと、不測の事態が起きたときに対処できなくなる恐れがあるでしょう。
子どものいる家庭であれば、生活費の6ヶ月〜1年分程度を生活防衛資金として手元に残しておくべきとされています。何かあったときのためのお金を除いた中から、可能な範囲で頭金を入れるべきです。
まとめ
新築住宅は、頭金を入れることで頭金ゼロよりもおトクに購入することができます。一方で、時間をかけて頭金を貯めるにはデメリットもあるため、資金計画を十分に練って、適切なタイミングで購入を決断することも大切です。
とはいえ、初めてのマイホーム購入となると、何をどうすればいいのか分からないという方も多いはず。ユピテルはうすなら、満足のいく家づくりに欠かせない資金計画のことも一から相談できます。無理なく返済できるローコストな予算でありながら、満足度の高い家づくりを実現可能です。
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