Columnコラム
新築とリノベーションの違いは?それぞれのメリット、デメリットを紹介
従来、マイホームを手に入れる方法としては、新築で注文住宅を建てる、建売(分譲)住宅を購入する、もしくは中古住宅を購入するというのが一般的でした。しかし、最近では中古住宅を買ってリノベーションするという方法も人気となっています。
新築住宅を購入するのと「中古を買ってリノベーション」するのでは、どのような違いがあるのでしょうか。この記事では、両者の3つの違いとそれぞれのメリット・デメリットについて紹介します。
「中古を買ってリノベーション」とは?
まず、最近人気が高まっている「中古を買ってリノベーション」とは、どのようなものなのか解説します。
「中古を買ってリノベーション」とは、中古住宅を購入後、自分たちのライフスタイルや希望条件に沿って自分好みにリノベーションする方法です。中古住宅で物件取得価格を抑えつつ、まるで新築のような住まいを手に入れられることから注目を浴びています。
リノベーション事業者などからなるリノベーション協議会は、リノベーションを「中古住宅に対して、機能・価値の再生のための改修、その家での暮らし全体に対処した、包括的な改修を行うこと」と定義しています。言い換えれば、間取りの見直しや新たな機能の追加によって、中古住宅の価値を上げるような改修=リノベーションということです。
中古住宅にリノベーションを施せば、まるで新築のような、きれいで機能性の高い住まいを実現できます。
(引用)リノベーション協議会「リノベーションとは」
新築とリノベーションの3つの違い
「まるで新築のような住まいを実現できる」とされるリノベーションですが、新築住宅を購入するのとどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、両者の違いを3つのポイントに絞って紹介します。
①物件価格が違う
新築とリノベーションで大きく異なるのが物件価格です。住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」によれば、2023年度にフラット35を利用してマイホームを取得した人について、住宅種類別の物件取得価格(所要金額)は次のようになっています。
住宅種類別の物件取得価格
土地付注文住宅 | 4,903万円 |
建売住宅 | 3,603万円 |
中古戸建て | 2,536万円 |
(出典)住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」
中古戸建ては建売住宅に比べて1,000万円程度安く、土地付注文住宅と比較すれば実に2,500万円近くも安くなっていることが分かります。中古戸建てリノベーションでは物件価格を安く抑えられる分、残りの予算をリノベーション工事に充てるという考え方です。
②固定資産税や都市計画税が違う
新築とリノベーションでは、住み始めてからかかる税金にも違いがあります。住宅を購入すると、毎年固定資産税と都市計画税(自治体や住んでいる区域によってかかる場合とかからない場合がある)を納めなければなりません。
固定資産税と都市計画税は土地・建物それぞれに課せられますが、建物分に関しては構造や築年数などに応じて決まる固定資産税評価額をベースに税額が算出されます。同じ床面積・構造であれば、中古に比べて新築のほうが評価額は高くなるため、納める税額も高くなる傾向にあります。
ただし、固定資産税の軽減措置に関しては、新築のほうが充実しています。新築・リフォームそれぞれの軽減措置をまとめると次のとおりです。
軽減措置の期間 | 税額からの減額幅 | |
新築住宅の減額措置
(認定長期優良住宅の場合) |
3年間
(5年間) |
1/2 |
リフォーム促進税制
【耐震】 |
1年間
(工事完了年の翌年度) |
1/2 |
【バリアフリー・省エネ】 | 1/3 | |
【長期優良住宅化】 | 2/3 |
(参考)
国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置」
一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「固定資産税の減額」
③工期の長さや自由度が違う
工事にかかる期間や、設計に関する自由度も新築とリノベーションでは異なります。なお、新築といっても、フルオーダーで設計や施工を一から行う注文住宅と、設計プランが決まった状態で購入する建売(分譲)住宅では状況が異なります。
注文住宅とリノベーションを比較すると、リノベーションのほうが工期は短くなります。一方、建物を一から設計する注文住宅のほうが自由度は高いでしょう。
建売住宅とリノベーションを比較した場合、建売住宅はすでに完成済みもしくは建築中のケースが多いため、リノベーションに比べて工期が短くなる可能性があります。自由度は、プランがある程度決まっている建売住宅より、リノベーションのほうが高いでしょう。
新築のメリット・デメリット
次に、リノベーションと比較した場合の新築のメリット・デメリットを見ていきます。
リノベーションと比べた新築のメリット
新築住宅をリノベーションと比べたときのメリットとして大きいのが、耐震性や断熱性など住宅性能が優れている点です。建築技術は年々進化を遂げており、最新技術で建てられた新築住宅は中古住宅に比べて、高い住宅性能を誇ります。特に近年は環境性能や省エネ性能が高まっているため、暮らし始めてからの電気代・ガス代などを節約できるでしょう。
また、長期優良住宅やZEH(エネルギーの消費量と生産量の合計がゼロ以下になる住まい)といった高性能な家なら、補助金や税制優遇を受けられるので、性能の割にお得な家づくりが可能です。
注文住宅の場合、間取りや住宅設備を一から選択できるので、リノベーションよりも自由度が高い点もメリットといえます。
リノベーションと比べた新築のデメリット
一方、新築住宅は中古住宅に比べてコストがかかりやすい点は注意が必要です。先ほど紹介したように、比較的安価な建売住宅でも中古住宅に比べて、平均1,000万円程度価格が高くなっています。ただし、ローコスト住宅を選べば、新築であっても価格を抑えられる場合があるでしょう。
ほかにも、新築は中古に比べて供給数が限られるため、リノベーションよりも選択肢が少ないという点もネックになります。とはいえ、新築・中古に限らず、希望条件に合う物件を見つけられるかどうかはタイミングや探し方次第の面もあるので、一概には言えません。
すでに物件のあるリノベーションと違い、新築の場合、実物を事前にチェックできない面もデメリットといえます。完成して初めて実物を確認できるので、思い描いていた住まいとギャップが生じるリスクもあります。なお、完成済みの建売住宅は、購入前に実物を見ることが可能です。
リノベーションのメリット・デメリット
新築と比べたときのリノベーションのメリット・デメリットについても、同じように見ていきましょう。
新築と比べたリノベーションのメリット
物件購入費用を安く抑えられるのが、リノベーションの大きなメリットです。中古住宅は供給数が多いので選択肢が広く、すでに市街地に立っている住宅も選択肢に入ってくるので、駅前など利便性の高い好立地な物件を、手頃な価格で手に入れられる可能性があります。
リノベーションでは間取りや内外装を自分好みに変更できるため、建売住宅に比べて自由度高く、こだわりの住まいを実現しやすい点もメリットといえるでしょう。ただし、建物構造を変更できるわけではないので、希望のプランをすべて叶えられるとは限りません。そのため、注文住宅に比べると自由度は劣ります。
新築と比べたリノベーションのデメリット
リノベーションでは、築年数が古い物件を購入するほど費用を抑えられる傾向にあります。その反面、築古物件になるほどリノベーション工事にかかる費用が高くなるため、トータルコストがかさんでしまうかもしれません。内外装をリノベーションしても住宅性能は低いままなので、耐震性や断熱性を補強しようとすると工事が大がかりになり、場合によっては新築と大差ないコストがかかってしまうこともあるでしょう。
また、中古を買ってリノベーションする場合、住宅ローンの利用にも注意が必要です。中古住宅は新築住宅に比べて担保価値が低いため、希望どおりの住宅ローンを組めない可能性があります。リノベーション費用はリフォームローンで賄えるものの、住宅ローンに比べて金利が高い点や、借入可能額が少ない点には注意しましょう。
まとめ
新築とリノベーションでは、物件購入費用、工期の長さや設計施工の自由度、入居後の固定資産税額などに違いがあります。それぞれに異なるメリット・デメリットがあるため、自分たちのライフスタイルや希望条件に合った方法で、マイホームを実現するのがおすすめです。
一般的に、新築はリノベーションに比べて費用がかかると考えがちですが、ローコストな家づくりを専門とするユピテルはうすなら、手頃な価格で憧れの新築マイホームを実現できます。打ち合わせの効率化、広告費や住宅展示場の出展費のカットなど、無駄を省くことで低価格を実現しているので、ローコストでありながら高品質な住まいを提供しています。
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